おたふく風邪の予防接種は受けるべき?時期や費用はどのくらい?
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おたふく風邪の予防接種は、子供のうちに受けるべきなのでしょうか?
予防接種にもリスクがあるというし、どちらがいいかママも判断に迷いますよね。
自然にかかって免疫を付けた方がいいっていうママ友さんもいたりします。
費用もそれなりに掛かるので、お子さんが何人かいると悩みどころ。
そこで、今回はおたふく風邪の予防接種は受けるべきなのか?受ける時期や費用はどのくらいなのか?といったおたふく風邪予防接種の疑問についてお答えします。
目次
おたふく風邪の予防接種は受けるべき?
おたふく風邪というのは、罹ってしまうと治療法がないウイルス性の感染症です。
※正式名称=流行性耳下腺炎
感染症にもいろいろありますが、
おたふく風邪は合併症のリスクも高めで、予防接種が推奨されています。
結論からいうと、おたふく風邪の予防接種は受けるべきです。
では、その理由についてお話します。
おたふく風邪の合併症リスクは高め
おたふく風邪は、感染症の中でも合併症のリスクが高めです。
まずは、その合併症についてみてみましょう。
おたふく風邪の合併症 難聴
子供に出やすい合併症で、難聴(ムンプス難聴)があります。
おたふく風邪になると約0.2〜1.1%の子供が、合併症で難聴になります。
片側性のことが多く、子供だと聴こえが悪いことに気づかなかったり、異変を上手く伝えられず、発見が遅れる傾向があります。
ムンプス難聴は、進行も速く聴覚神経を壊してしまうので聴力の回復はほとんど叶いません。
おたふく風邪の合併症 髄膜炎
そして、最も頻発する合併症が“髄膜炎”です。
おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスが、脳などを守っている髄膜に入ってしまうことで炎症が起き、合併症として髄膜炎になり高熱・嘔吐・頭痛などの症状が現れます。
おたふく風邪による髄膜炎は、“無菌性髄膜炎”といわれるもので比較的軽症で、後遺症が残ってしまう可能性も低いです。
※1~2割の割合で無菌性髄膜炎が合併症として現れます
さらに、脳自体が炎症を起こすと脳炎となり、意識障害・痙攣などの症状が見られます。脳炎になると、発症率は0.2%ほどで予後は良好といわれています。
おたふく風邪の予防接種はなぜ任意?!
おたふく風邪の合併症のリスクを考えると、定期接種でも良い気がしますよね。
では、なぜ任意接種なのでしょう?
おたふく風邪の予防接種の副作用
おたふく風邪のワクチンには、副作用が引き起こされることがあるのです。
大抵は、予防接種から2~3週間後に、発熱・腫れなどの副作用で発生率は約3%。
数日でこの症状も快方に向かいます。
そして、予防接種を受けるうえで、懸念材料となっているのがごく稀ではありますが、無菌性髄膜炎をになることがあるという点。
ですが、何千人に一人といった低い割合で、後遺症が残るほどのものではありません。
また、難聴に関してはさらに少なく数十万人に一人ぐらいの割合です。
とはいえ、日本では副作用のことを懸念して、任意接種となっています。
おたふく風邪の予防接種を受ける割合は、3割程度と先進国の中でも少ないです。
しかし、よく考えてください。
自然におたふく風邪に感染したら、1~2割の可能性で髄膜炎を引き起こします。
このリスクと考えると、予防接種でかなりリスクを低下させられますよね。
確かにおたふく風邪の予防接種による副作用のリスクはありますが、自然におたふく風邪にかかった場合のリスクと天秤にかければ、一目瞭然です。
また、予防率は100%ではありませんが90%と高い予防効果があります。
こういった点から、おたふく風邪予防接種はよりリスクを下げるためにも、受けるべきといえます。
おたふく風邪の予防接種を受ける時期
おたふく風邪は、2歳から12歳の子供がかかりやすい感染症です。
おたふく風邪の予防接種は、1歳を過ぎたら受けられます。
2歳からの感染が多いため、1歳~2歳の間でおたふく風邪の予防接種を受けておきましょう。
おたふく風邪の予防接種に2回目は必要?
おたふく風邪の予防接種は、1回の接種で抗体が完成しないこともあるので、2回目の摂取が推奨されています。
1回受けて安心していると、抗体ができていなくておたふく風邪に感染というケースもあるのです。
その為、子供のうちに2回目を受けておくことをお奨めします。
1回目のワクチン接種から、4~5年空けて受けるのが望ましいです。
つまり1歳を過ぎたら1回目、集団生活が始まる小学校入学前に2回目接種が適しているでしょう。
この時期には、水疱瘡の予防接種も検討されていると思いますが、おたふく風邪に使われるワクチンは生ワクチンです。
最低でも、4週間以上は間隔をあけて他の予防接種をうけましょう。
おたふく風邪予防接種の費用
おたふく風邪の予防接種は、病院によって費用が変わります。
自由診療なので、病院ごとに料金を設定されているのです。
平均でいうと、おたふく風邪のワクチンは5,000円~7,000円ほど。
但し、市町村によっては公的助成金がでる場合があります。
助成金の金額・対象年齢など、市町村でバラバラですので各市町村に問い合わせてみましょう。
対象年齢があることから、助成金が出る年齢まで待つご家庭もあります。
しかし、それまでにおたふく風邪が流行するリスクもあるのでよく考えたうえで慎重に判断してあげましょう。
おたふく風邪は、通年性の感染症ではありますが3年~4年に一度大流行が見られます。
前回の大流行は、2016年だったのでワクチンを接種早めに受けておくと良いでしょう。
まとめ
おたふく風邪の予防接種は、任意ではありますが合併症のリスクから見ても受けるべき予防接種の一つといえます。
確かに、副作用のリスクもありますが、
自然におたふく風邪になった時のリスクとは比べ物になりません。
任意などで、最終判断は各ご家庭に委ねられますが、受けたがほうがいいといえます。
予防接種を受けている子供が増えれば、大流行のリスクも下がります。
2歳を過ぎると感染しやすい年齢に入るので、
できれば1歳を過ぎたら早い段階でおたふく風邪の予防接種を受けましょう。